イビサ島観光はクラブだけ!?スペインの楽園の秘密

スペインの離島バレアレス諸島にあるイビサ島。クラブの聖地として世界中のパリピを集める楽園で知られるリゾートですが、その魅力は他にも沢山。ヒッピー、イビサファッション、ビーチから知られざる文化、世界遺産まで楽園の魅力、観光情報をお伝えします。

イビサ島って島ごと世界遺産?!その古い歴史と美しい海を訪ねよう!

1999年、イビサ島がUNESCOによって世界遺産に指定されたのは「イビサ島の生物多様性と歴史地区」というもの。

え?場所や建物とかじゃないの?

そうなんですよね。これ「複合遺産」と言って、「文化遺産」と「自然遺産」の両方を備えている地域が指定されるものなんです。

現在複合遺産は35件と、結構少ないんですね。スペインではモン・ペルデュと、ここイビサ島のみ。日本ではまだ複合遺産はありません。

 

では、イビサ島の何が世界遺産なのかというと・・・

【文化遺産】3カ所

Dalt Vila:旧市街の城壁・城壁内の街並み

Sa Caleta:フェニキア人の入植地跡

Puig des Molins:フェニキア時代からの墓地遺跡

【自然遺産】1か所

Posidonia(海洋性植物)の群生地と、生息する海洋生物の生態系

という4カ所が世界遺産なんです。

 

ではこの遺産たちを、ひとつずつ見ていきましょう!

ぼーっと見てた海が、ちょっとした知識で何かキラキラしたものに変わりますよ。

 

イビサ島の世界遺産:島の歴史と美しい自然

イビサ島に来るとその海の美しさと、街並みの美しさに心を奪われちゃうんですよね。

強い日差しの中で、それはより一層引き立って見えるんです。

では、まずは文化遺産から見ていきましょう。

 

Dalt Vilaの城壁・城壁内の街並み(旧市街)

ダルト・ヴィラの城壁世界遺産

出典:Portal oficial de turismo de Ibiza

Sa Caleta(サ・カレタ)に入植したフェニキア人は、その後アイヴィサにその居住地を移し城壁を造ります。
Dalt Vila(ダルト・ヴィラ)はその城壁都市で、現在でもイビサ島最大の街です。


なぜ城壁を作ったかというと、イビサ島の利便性のために海賊からの攻撃を受けることが多かったんですね。
島を守るために砦や塔なども建築されており、イビサの歴史を垣間見ることができます。

 

フェニキア人滅亡後、カルタゴ人、ローマ人、アラブ人がイビサを占領。
彼らの手によって改築・増築が行われ、今ある城壁の姿になったのは16世紀です。
さらに1555年にはスペイン王FelipeⅡ(フェリペ2世)が、イタリア人建築士にルネサンス様式の城壁を造らせました。
この建築の特徴は、6カ所に設けられた5角形の城郭楼です。

 

世界遺産に指定されたのはその旧市街、城壁、さらには城壁外のLa Marina(ラ・マリナ)・Sa Penya(サ・ペーニャ)・Es Soto(エス・ソト)地区です。
城壁外にはかつて漁師や商人、芸術家たちが暮らしていました。
白壁の家が並び、石畳が敷き詰められた街は、イビサの歴史が漂った美しいスポットです。


ダルト・ヴィラは高台にあるので、イビサ島を一望することができますよ。夜はライトアップされ、美しい白壁の街が別の雰囲気になります。

 

イビサ空港からはアイヴィサ行きバス、ライン10が出ています。バス停Puerto de Ibiza(プエルト・デ・イビサ)で下車します。
一部治安の悪い地域もありますので、十分ご注意ください。

 

Sa Caleta:フェニキア人の入植地跡

サ・カレタの居住跡世界遺産

出典:Portal oficial de turismo de Ibiza

Sa Caleta(サ・カレタ)のフェニキア人の入植地跡はイビサ島の南側、CodolarビーチとMonte des Jondalの間にあります。

 

フェニキア人とは今のレバノンあたりに住んでいた民族で、地中海の東西貿易を行っていました。
彼らは紀元前7世紀に地中海を渡って、スペイン本土まで銀の買い付けをしにやってきていたんです。
イビサ島はその地理の良さから、地中海交易の中継地にされていました。

 

フェニキア人がイビサ島に入植したのは、紀元前654年のことです。
サ・カレタは50年間中継地として利用され、そのあとは島の別の場所に居住地を移したそうです。


この遺跡では、パンを焼くためのオーブン、穀物を挽くのに使用された陶磁器、青銅の釣り針、織機の破片などが発見されています。
またフェニキア人は冶金学にも優れていて、鉄を溶かす炉も発見されています。

 

Cala Bol Nou(カラ・ボル・ノウ)のビーチ横の高台にあるので、ビーチを訪れる方はちょっと寄ってみてはいかがでしょうか?
入植地後はフェンスで囲ってあるので、外から石組みを見るくらいしかできませんが・・・

夏の間はイビサ市内からライン26のバスが出ていますよ。

 

Puig des Molins:フェニキア時代からの墓地遺跡

イビサの墓地遺跡出土品

出典:Portal oficial de turismo de Ibiza

La Necrópolis de Puig des Molins(ラ・ネクロポリス・デ・プッチ・デス・モリンス)プッチ・デス・モリンスの墓地遺跡は、地中海で最も重要な遺跡のひとつです。
イビサ島の歴史研究だけでなく、フェニキア文化の研究にとっても重要な場所なんです。

 

この墓地遺跡は、紀元前7世紀に建造されました。
フェニキア人は村の近くに死者を埋葬する習慣がありました。ここイビサ島でも彼らの集落から500mほど離れた場所に墓地は建てられています。
墓数は3000あまり、地上に見えるだけでも340以上あるんです。


ローマ時代にも使われ拡大していった墓地ですが、その後墓地の上にはオリーブやアーモンド、イナゴマメの木が植えられ、農業用に使用されるようになりました。
今見られる数本のオリーブの木は、樹齢400年と言われています。

 

墓地遺跡の横には考古学博物館があり、博物館内から墓地に入ることができます。
博物館には、墓地から出土した埋蔵物が展示してあります。
中でもカルタゴの母女神の胸像は、最も重要なものとされています。

 

【考古博物館営業時間】

火曜~土曜日 10:00~14:00・18:30~21:00 日曜日10:00~14;00(4月1日~9月30日)
火曜~土曜日 9:30~14:00 日曜日10:00~14;00(10月1日~3月31日)
月曜・祝日は閉館しています。

Avenida de España Consell Insularバス停から約徒歩3分。
https://maef.eu/

 

Posidonia(海洋性植物)の群生地と、生息する海洋生物の生態系

ポシドニア

出典:Portal oficial de turismo de Ibiza

ポシドニアとは何ぞや?というと、地中海固有の海洋植物で、そのほかの海では見られないんです。
このポシドニア、太古からイビサ島とフォルメンテーラ島の間に生息していて、距離8㎞にも及んで群生しているんです。

 

長いものでは10mにも伸びたポシドニアが、イビサの海の透明度と青緑色の要因なんです。
ポシドニアによってたくさんの酸素が供給され、美しい水質が保たれているんですね。
卵を産んで育てるのに適した環境があり、数多くの魚が暮らしていています。

 

そんなイビサ島の海も、汚染の危機に瀕しています。
美しい海、ポシドニアを守るためにも、世界自然遺産に指定されたんですね。

 

いかがでしたでしょうか?イビサ島の世界遺産。

次回イビサを訪れるとき、足を運んでみてはいかがでしょうか?

きっとまた違ったイビサを体感できると思いますよ。